2022年7月5日にスリランカのウィクラマシンハ首相は議会で演説し、国の破産を宣言しました。
原因はガソリンなどの燃料などが極端に不足し、経済危機に陥ってしまったことだとしています。
そこで今回は、スリランカのガソリンが不足してしまったのはなぜか?外資不足の原因は何か?ということについて、考察し記事にしてみました。
早速行きましょう!
スリランカのガソリン不足はなぜ起きたの?
コロナ禍で外国人観光客が激減し、急激な外資不足に陥った事が原因
南アジアのスリランカは以前まで、観光で年間4000億円以上も稼いでいました。
しかし、コロナ禍の影響で外国人観光客が激減し外資不足に陥った結果、エネルギーが購入できなくなり、経済状況が厳しくなっているようです。
スリランカは燃料輸入国でガソリン、軽油、原油、発電用燃料などの燃料を海外から外資で購入していて、現在急激な外資不足に陥っているため、産業と国民生活に必須な燃料を十分購入出来ていません。
それによって深刻なガソリン不足問題にぶつかってしまったみたいですね。
ガソリン不足は他にも影響を及ぼしています。
ガソリン不足による影響は他にも!?
- 4月中旬まで乾季が続き、水力発電能力が減少
- 水力発電を補う火力発電も燃料不足で計画停電を繰り返している
- 投資家の外資を繋ぎ止めたい政府は簡単に停電出来ない状況
スリランカの大きな都市が集中する西海岸では4月中旬まで電力全体の27%を担う水力発電能力が減少傾向にあるようです。
水力発電を補うための、電力全体の70%を担う火力発電を増加させなければならないのですが、外資不足で燃料を購入する資金が十分になく、政府は計画停電を発表、撤回とギリギリの状態にあるとのこと。
計画停電はスリランカ国内の大半の地域が対象で、場所によっては1日10時間以上も電気が止まるようですよ汗
しかし、この停電はFTZも対象となり、輸出産業に様々な影響を及ぼすと予想され、海外大手投資家が反発しています。
この投資家による外資を繋ぎ止めたい政府も簡単には停電することが出来ない状況にあるようです。
外国資本の集まった輸出専門の大きな保税地区地域のこと
しかし、外資不足は本当にコロナだけが原因なのでしょうか?
スリランカの外資不足はコロナ以外にも原因があった!?
外資不足の最大の原因は国際ソブリン債(ISB)の返済が困難になったこと
スリランカは中国からの融資が返済できずに、ハンバントタ港の運営権を長期リースすることになってしまったのが、外資不足の一番の原因とされています。
スリランカは開発パートナーが資金提供するインフラ・プロジェクトを円滑に進行するために2007年10月から国際市場にて多額の資金を調達し始めました。
スリランカの対外債務のグラフを載せておきます。
スリランカの破産を中国のせいだと言う奴は現実を見たほうがいい。債務自体は半数が市場からでもう半数は色々な国や銀行から。さらに債務残高は減少傾向だった。スリランカの破産の原因は政策のミスによるハイパーインフレと自国通貨安。まとめると、選挙に行かないと日本もこうなるかもということ。 pic.twitter.com/S9FvLlohl6
— あーるん (@arun_1031_893) July 6, 2022
通常、開発パートナーはプロジェクトにかかる費用の約70%を段階的に提供するので、政府は残り30%の費用を用意しなければならないのですが、金利も高く多額の返済を行う必要があったとはいえ、国際金融市場での資金を調達するための条件はなかったので、スリランカにとっては都合が良かったようです。
しかし、コロナによって主な外資獲得手段である観光産業が大打撃を受けて、債務を返済することが難しくなってしまったみたいですね。
その後インド、中国、バングラデシュなどからクレジットラインを取得したものの、あくまで一時的な措置に過ぎません。
この時点で債務を返済する他の方法を探していればまだ状況はマシだったのかも知れません。
クレジットカード会社や銀行から融資を受けられる与信限度額のこと
その後政府は3月下旬になってようやくIMFとの交渉を行いましたが、このような状況での交渉は今後、困難になっていくと予想されます。
破産したスリランカのIMFとの交渉は困難になる!?
国の破産を宣言したため、破産国家として協議することになり交渉は困難になる
過去には発展途上国としてIMFと協議してきたスリランカですが、これからは破産国家として協議することになるため、交渉はより困難で複雑になると予想されます。
2022年末にはインフレ率は60%に達するとのことで、2023年も困難に直面していくことが見えています。
- IMFとはInternational Monetary Fundの略で国際通貨基金を指す
- 通貨と為替相場、国際金融システムの安定化を目的とした国際連合の専門機関
コロナなどの予想外な出来事があったとはいえ、もう少し何か解決できる手立てはなかったのかな?と思ってしまいますね汗
この先もスリランカの国民生活などに様ざなま影響が起きていくと思われますので、とても心配です。
今後もスリランカの状況に注目していきたいと思います。